コレステロールの善玉・悪玉について
内野 FOCUS First
2022.05.14
こんにちは、小名木です!
コレステロールは脂質の一種で、食物から吸収されて血液の中に入り、肝臓で細胞膜などの細胞構成材料や、ビタミンDの材料などに、また、副腎や精巣、卵巣ではステロイドホルモンの生成などに利用されます。しかし、多くなると血管壁の細胞にたまり、動脈硬化を起こします。コレステロールは、水に溶けないので、血液中では蛋白質と結合して流れていきます。これをリポ蛋白と呼び、低比重のリポ蛋白(LDL)と、高比重のリポ蛋白(HDL)に分けられます。LDLは、肝臓から細胞組織に必要なコレステロールを運び、蓄積します。HDLは逆に、細胞組織で不要となったコレステロールを取り去り、肝臓へ運ぶ役割を担ってます。これらの働きから、一般に、HDLは善玉コレステロール、LDLは悪玉コレステロールと呼ばれています。この両者のバランスが崩れ、LDLが増加すると、コレステロールが血管壁に付着して動脈硬化が進みます。HDLはこれとは反対に、動脈硬化の進展を抑えます。LDLは、酸化・変性されやすく、血管壁のマクロファージはこの変性LDLを大量に取り込み、泡沫化され、動脈硬化を促します。肥満した人や高齢者では、HDLが正常者より低くなっていることが多く、血管から不要なコレステロールを運び去る能力が低下していると考えられます。動脈硬化を予防するための食事は、コレステロールの摂取を控えるだけでなく、摂取する脂肪の種類にも注意が必要です。動物性脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸は、LDLを増やす作用があり、一方、植物性に多く、背の青い魚の脂身にも含まれる不飽和脂肪酸には、LDLを減らす作用があります。